平成15年度の「普通職業訓練技能士(1・2級)コース短期課程」が修了した。
昨年の秋からスタートして102時間をかけた講習は、職業能力開発促進法に基づいて『より高度の技術を修得』し『その職業に必要な技能を補完』する事を目的とされる。別名『向上訓練』ともいわれ、協会の重点事業の一つでもあり、協会本校と横須賀校の二ヶ所で開催され、本校コースの修了式が3月6日(土)に、横須賀校コースでは3月13日(土)に行われた。 |
◎造園技能士短期講習を終わって 【横須賀校講師 下田 勇】 |
平成15年度の「普通職業訓練技能士(1・2級)コース短期課程」が修了した。
昨年の秋からスタートして102時間をかけた講習は、職業能力開発促進法に基づいて『より高度の技術を修得』し『その職業に必要な技能を補完』する事を目的とされる。別名『向上訓練』ともいわれ、協会の重点事業の一つでもあり、協会本校と横須賀校の二ヶ所で開催され、本校コースの修了式が3月6日(土)に、横須賀校コースでは3月13日(土)に行われた。
造園技能士短期課程の講習には、永年携わってきました。
そして毎年思うことは、我々の業種である造園という職域の深さです。
以前に講義した問題でも人によっては違う意見で説明され、また違った課題が生まれたりして、必ずしも1+1が2であるわけではないのが造園界だと思います。これも自然が相手であり、自然が材料であることがそうさせるかもしれません。加えて最近では、自称、講師の技術者の書があまりにも多く、物によっては実に勝手な冊子もあり。これを読んでこうではないかとなることも多いのです。造園で基本となると、誰も返答が出来ないのではないでしょうか。特に門外不出の技の権化的な存在を引きずる業界であるので、対応が難しい。
このような中での資格の勉強なので、講師の方々の苦労は並ではありません。
ただ、最近の受講生の若い人達は、何か会社の為にアタックしているような向きもあるようですが、己の資格なのだと説いてもなかなか分かってもらえない点が難しいものです。
ともかく、年々資格がうるさく言われるわりに応募者が少ないようだし、もう少し中央においても資格に対する優遇(?)を考えてくれるように望みます。 |
◎ 講義は礼ではじまる 【本校講師 滝本 隆雄】 |
「おはよう」一日の始めのこの言葉こそ挨拶の基本だと思う。
102時間の講義のある日、小生は知識を右脳・左脳にいれて、足取りも軽く、神奈川県造園業協会に向かう。受講生との初対面、いささか緊張気味。当番の起立「礼」の写礼でお互いに「あいさつ」を交わす言葉は、「おはようございます」「よろしくお願いします」。
少々元気がないが、全員着席し、小生も元気よく「よろしく」と挨拶をする。この時がお互いに大切な時間である。自己紹介をし、この造園業を選んだ理由や、造園界の動向について話しながら。
『造園とは、安全で効果的で保健的で、快適な利用のために空間的な広がりを持つ土地に種々の客体を配しながら構成する一種の芸術であり科学である。』と定義されてます。
今回は特に一種の芸術である、というところに着眼し、植栽の基本形である不等三角形の美の構成は華道から、茶庭の飛石の美や用は茶道からと言っても過言ではないでしょう。しかし、この二つの芸術で忘れてはならないのものは「道(どう)」です。「礼に始まり礼に終わる」精神と考えられます。この精神こそが庭師の心得である!!
受講生の諸君は、数年後独立して業界を背負って行く人ですので、まずは「挨拶を忘れずに」頑張って下さい。ご苦労様でした。 |
◎受講生の声(敬称略) |
●本 校 |
木村努(庭乃持田園)=毎週土曜日の貴重な時間を我々受講生のために講義をして頂いた講師の方、並びに事務局の方、本当にお世話になりました。ここで学んだことをこれからの仕事に少しでも役立てるよう頑張っていきたいと思っております。
関田雄一(とみおか)=非常に酷な期間でした。学生生活以来の机へ向かっての勉強でしたので。しかし、普段現場での勉強と違って、違った形での勉強が出来たので今後プラスになるよう頑張りたいです。 |
●横須賀校 |
石山今朝義(然園)=横須賀支部、下田先生はじめ各科目の講師の先生方、本当に有難うございました。まずお礼申し上げます。各講義の中で豊富な経験談、今後の造園業のあり方等を学びました。補足資料等も多く作成して頂き、造園工事施工読本と合わせて後々まで大切にして勉強させて頂きます。今後、知識と技能を習得して技能検定合格に向けて頑張ります。有難うございました。
本村勇(太陽造園)=今回、技能士コースを受講して一言で言えば、大変有意義な講座であったと思っています。前に受講した就労支援造園講座と比較し、教材の内容もさることながら各講師の方の説明も、造園技能の施工実践に即した内容で、特に教材にも触れられていない実現場での施工の考え方・作業のやり方・コツなど、各講師の方の経験を踏まえた説明が多くなされ大変良い勉強をさせてもらいました。尚、希望を申しあげますと、横須賀支部でこのような講座をステップバイステップの内容で定期的に開いていただければ、経験の浅い造園技能士の育成のために大変良いかと思います。小生もこのような講座が出来れば再受講したいと思います。
横沢清(古川園芸)=私は平成14年度の就労支援講座の修了生です。今回の講習は、就労支援の時よりもう一歩踏み込んだ講義であり、造園に関してのより広い知識を得ることが出来ました。知識ばかりが先行して実技が伴いませんので、この点より一層頑張らなくてはと思っております。鈴木先生の仕事は「「出来ません」と断ってはだめだ。調べるなり、人に聞くなりして受注・施工する様に。」とのお言葉が耳に残っております。諸先生方、有難うございました。 |