■ディーゼル車運行規制について
「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」による規制の概要

1 条例改正の背景
 ディーゼル車から排出される粒子状物質は、尼崎公害訴訟等の判決において健康影響との因果関係が指摘され、また、発がん性も示唆されています。そこで、道路沿道を中心とした大気汚染の早期改善を図り、県民の皆様の健康を守るため、平成14年、「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」(以下「条例」といいます。)を改正し、運行規制及び荷主の義務については平成15年10月1日から、その他の規制については平成15年4月1日から施行しました。
2 条例改正の概要
(1)ディーゼル車の運行規制
 運行規制とは、県内を走行するディーゼル車のうち、普通貨物自動車(1ナンバー)、小型貨物自動車(4、6ナンバー)、大型バス(2ナンバー)、マイクロバス(2ナンバー、5、7ナンバーで乗車定員11人以上のもの)、特種自動車(8ナンバー)の5車種(乗用車及び乗用車ベースを除く。)であって、PM(粒子状物質)の排出基準に適合しない車(車検証の「型式」が、記号なし、K−、N−、P−、S−、U−、W−、KA−、KB−、KC−の車)について、初度登録から7年間の猶予期間経過後、県内車両、県外車両にかかわらず県内の運行を禁止するものです。

 ただし、知事が指定した粒子状物質減少装置を装着するなどの対策を講じた場合には、引き続き運行が可能となります。

 一方、ディーゼル車であっても、3,5,7,9,0ナンバー(5,7ナンバーは乗車定員10人以下のものに限る。)及び8ナンバーで乗用車ベースのものは規制の対象外です。

 知事は、運行規制に違反した運転者又は使用者に対して運行禁止を命ずることができ、これに従わない者は罰金が課されることがあります。

 さらに、運転者又は使用者が法人等の従業員である場合には、併せてその法人等にも罰金が課せられることがあります。

 なお、本県においては、運行禁止命令は、条例の規定により、平成16年3月31日まで適用されません。
(2)荷主の義務等
 荷主に対しても、荷物の運送委託の際には、排出基準に適合した車両の使用を契約条件とするなど、受託者において運行規制が守られるよう、適切な措置を講じることが義務づけられています。

 知事は、荷主がこの義務に違反した場合、荷主に対して適切な措置を講じるよう勧告することができ、勧告に従わない場合、知事は勧告を受けた荷主の氏名、違反の事実その他の事項を公表することができます。

 一方、荷主は運送業務の受託者に対し、粒子状物質減少装置の装着等が円滑に行われるよう必要な援助や協力に努めなければなりません。
(3)特定低公害車の導入義務づけ
 軽自動車と二輪車を除く50台以上の自動車を使用する事業者は、20%以上を低公害車とすることが義務づけられました。(達成期限は、平成18年3月31日)

 なお、条例違反の事業者に対しては、知事は勧告を行うことができることとされ、当該事業者が勧告に従わない場合、知事は勧告を受けた荷主の氏名、違反の事実その他の事項を公表することができます。
(4)燃料規制
 ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質の量を増大させ、環境を悪化させる重油混和燃料等(重油、重油を混和した燃料等)を自動車(ナンバープレートのない大型特殊、小型特殊自動車も含みます。)の燃料として使用又は販売することを禁止しています。

 この規定に違反した場合には、知事は使用者又は販売者に対し、燃料の使用又は販売の禁止を命ずることができます。

 また、事業者がこの命令に従わない場合には、罰金が課せられることがあります。さらに、使用者又は販売者が法人等の従業員である場合の両罰規定も運行規制と同様です。
3 施行時期等
 本県では、運行規制の開始に伴い、平成15年10月1日以降、連日県内の路上、事業所等において車両検査や改善指導を行っています。(横浜・川崎市内については、県からそれぞれの市に権限が移譲されており、運行規制に伴う車両検査や改善指導はそれぞれの市が実施しています。)

 規制開始日の平成15年10月1日から3月末までに横浜・川崎市内含めた県内各地で、計11、506台について検査を実施し、そのうち適合車両が10、983台(95・5%)、不適合車両が475台(4・1%)、その他(車検証不携帯等)が48台(0・4%)という状況でした。

 なお、不適合車両については、運行規制への早急な対応を求めるため、基準不適合車であることを知らせる「注意書」を交付し、改善を指導しています。この検査・指導は、路上検査においては所轄警察署の協力を得るなど、効率的かつ効果的な方法で実施しています。
4 事業者等に対する支援制度
 運行規制に伴って、ディーゼル車を所有・使用される方に経済的な負担が生じることから、その軽減を図るため、県、横浜市及び川崎市では協調して支援制度を設けています。

 具体的には、規制の対象となるディーゼル車を新車等に買い換える費用に対する融資制度を設け、利子補給等を行っています。また、規制の対象となるディーゼル車に、粒子状物質減少装置(DPFや酸化触媒)を装着する費用に対して補助を行っています。ただし、融資・補助とも、申請時点で初度登録から7年を経過していない車両が対象とされているなど、申請できる方は限定されていますのでご注意ください。
5 「自動車NOx・PM法」による車種規制
 自動車NOx・PM法により県内の対策地域に指定された地域(※)では、トラック・バス等(ディーゼル車、ガソリン車、LPG車)及びディーゼル乗用車に関してNOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)の排出基準が定められ、この排出基準を満たさない車両については、初度登録から一定の期間を過ぎると対策地域内で車検の更新ができなくなります(普通トラックの場合、おおむね初度登録から9年間)。

 なお、八都県市指定の粒子状物質減少装置を装着した車両であっても、自動車NOx・PM法の排出基準を満たさない場合は、車検更新期限の延長はありません。

 ※…横浜・川崎・横須賀・平塚・鎌倉・藤沢・小田原・茅ヶ崎・逗子・相模原・三浦・秦野・厚木
    大和・伊勢原・海老名・座間・綾瀬の18市
    葉山・寒川・大磯・二宮・中井・大井・愛川・城山の8町

 ●自動車NOx・PM法についてのお問い合わせは
  神奈川運輸支局TEL:045-939-6803
6 おわりに
 ご不明の点は、県大気水質課ディーゼル自動車対策担当へお問い合わせください。
 ●規制内容については、TEL:045-210-1111
 ●融資・補助については、TEL:045-210-4175

 なお、県ホームページにもお知らせを掲載しておりますのでご参照ください。(神奈川県大気水質課)


 県ホームページアドレス:http://www.pref.kanagawa.jp/



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