■故 井上孝太郎氏を偲んで

 神奈川県造園業協会二代目会長・相武造園土木椛n設者元社長井上孝太郎さんが享年九十五歳の天寿をまっとうして本年3月21日に永眠されました。多数の協会員の皆様には、お忙しい中ご会葬賜わりまして、誠にありがとうございます。

 早いもので、亡くなりまして四ヶ月になります。去る五月十日けやき荘にて、お別れ会、菅田町の浄土宗専称寺で四十九日の法要と納骨が営まれました。

 私が初めて井上さんにお逢いしたのは、四十四年前で父と同い歳のせいか話が合い、よく仕事の帰りに立ち寄っていました。そんなある日、植木屋の井上さんだと紹介をしてもらい挨拶をした事を今でも鮮明に覚えています。その六年後、造園会社を創りたいので協力してくれないかと云われ、家業を投げ捨て井上さんの世話になり、一年間造園修業の後、相武造園創立に参加しました。井上さんは、何時も生涯勉強と言い続けてそれを実行してきました。読書や思いついた事を書き留めたり、寺院などの庭・石組・樹木等の配置や骨董・絵画などじっくり時間をかけて観て、頭に焼き付けていたようです。

 昭和六十二年七十五歳の時、一級造園施工管理技士に挑戦し見事翌年三月二十日に取得しました。こんな高齢での受験は例が無いと思います。昭和六十三年の寒い一月か二月頃、机に向かい辞書を手に原稿用紙に書き物をしていたので「寄稿を頼まれたのですか」と聞くといや、もう直ぐ八十になるのでその節目として自分が歩んで来た人生を書くのだと云われました。これが平成二年五月十七日に発行された八十路を歩むであり三年近くかけて書き上げた自叙伝であります。

 井上さんは地域社会、造園、植木生産業界の沢山の役職を歴任し業界発展に寄与され、これらの功績により、建設・農林・厚生大臣を初め県知事・市長より多数の表彰状・感謝状・功労賞を授与されました。この様な井上さんの下で勤める事が出来た私は大変な幸せ者であります。いつでも温和なえびすさんのような風格、ニコニコ笑顔でおられた井上さんが私の瞼の中に生きています。 
相武造園土木梶@木村郁男

 


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