■「さらに前進〜先進と協働の神奈川」
神奈川県知事 松沢 成文
明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、新たな抱負や願いを胸に新春を迎えられたことと存じます。年頭に当たり、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます。

昨年は、国民生活の安全や安心を脅かす事象が相次いで発生した一年でした。

原油・原材料価格の高騰に加え、世界的な金融危機が顕在化し、わが国の実体経済にも深刻な影響を及ぼしています。また、冷凍食品への農薬混入をはじめ、食品に関する事件・事故が多発したほか、産科・小児科医師不足も依然として深刻な状況が続いています。さらに「振り込め詐欺」の増加や、秋葉原の無差別殺人事件などこれまでにない凶悪犯罪も起こりました。
神奈川県知事
松沢 成文
生活の安全や安心を求める県民の声に応え、不安解消に向けた取り組みを強化することが、行政の最優先課題であると認識しています。

一方、北京オリンピックでは、女子ソフトボールチームが念願の金メダルを獲得するなど、神奈川ゆかりの選手が大活躍し、私たちに大きな勇気と感動を与えてくれました。今年はぜひ、夢と希望に満ちた明るい一年となることを心から願っています。

さて、県では、「神奈川力を高め、新たな時代を創造する」という基本理念の下、総合計画「神奈川力構想」に基づき様々な政策に取り組んでいます。

経済の分野では、地域建設業経営強化融資制度をはじめとする中小企業向け融資や雇用対策の拡充など、これまで数次にわたる緊急経済対策を実施してまいりました。そして、オール神奈川の力を結集してこの経済危機を乗り越えていくため、金融機関・産業界・労働界・消費者団体と行政の代表による「神奈川県緊急経済対策連絡協議会」を設置し、現場の実態を踏まえた機動的な対策について協議を開始しています。

また、地球規模の課題である温暖化防止対策については、昨年1月、神奈川発の「地球復興」を呼び掛ける「クールネッサンス宣言」を行い、電気自動車(EV)や太陽光発電の普及推進など、先進的な取り組みを進めています。

県土整備の分野では、近年、局地的かつ短時間の豪雨が頻発する中で、市町村との一層の連携を図りながら、都市河川整備などの防災・減災対策に重点的に取り組むとともに、神奈川のさらなる発展に不可欠な基盤として、さがみ縦貫道路をはじめとする幹線道路整備を推進します。

【左画像】正月の忍野(今泉健寿氏画)

保健・福祉の分野では、受動喫煙による健康への悪影響から県民の皆様を守るための「公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」について、賛否両論、様々なご意見を頂いています。そこで、新年早々この条例をテーマとするタウンミーティングを開催し、様々な立場の方々のご意見・ご提案を改めて伺った上で、社会全体の新たな分煙ルールとして、全国初の条例制定を目指してまいります。

第二期地方分権改革の進展や道州制論議の活発化、財政危機への対応など、今、地方自治を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。今後とも、全国をリードする「先進と協働の神奈川」を目指し、行政改革の徹底と併せ、さらなる県政改革を推進してまいります。皆様には引き続き、県政への温かいお力添えをお願い申し上げます。


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